戻る  次へ  トップページへ  

     今回は、何はともあれ、記紀の主な内容を整理して掲載いたします。邪馬台国とは直接関係ない項目もありますが、記紀のあらすじを知る事も何かの役に立つかも知れませんので・・。このページは今更言うまでもなく、本当の初心者向けの入門道場ですので、既によくご存知の方はパスしてください。たまに須佐之男命(スサノオノミコト)と倭建命(ヤマトタケルノミコト)を時代的に混同している人がおります。したがって重要な事は時間軸、すなわち、書かれている順序ではないかと思います。なお複雑な漢字が多く、誠に勝手ながら人(神)名に関しては、一部カタカナで表記しますので、ご理解ください。

      記紀の概要(上の巻)

     邪馬台国に関係すると思われる、個々の説明は次回以降にするとして、私流に整理した内容を以下に掲載します。ここでは一応古事記をベースとします。(相違点で重要な事項は一部説明しています)先ずは上の巻です。
     
    天地創造 ・高天原の5人の神が、混沌としているところに、天と地を作る。
    ・更に4人の神によって命の兆しが芽生える。
    ・6人の神によって命が吹き込まれる。
    ・イザナギノミコト、イザナミノミコトの男女2神が誕生する。以上を神世七代と言う。
    国生み ・天の浮橋、矛でかき回し島を作る。この島がオノコロジマで宮殿を建てる。
    ・男女合体によって、淡路島、四国、隠岐、筑紫、壱岐、対馬、佐渡、秋津島(本州)の各島を作る。以上を大八島(オオヤシマ)と言う。
    黄泉の国 ・岩、土、火、その他の神を生んだ後、火に焼かれてイザナミが亡くなる。この時水の神、生産の神、食物の神(トヨウケヒメノカミ)が生まれる。
    ・イザナミは比婆山に葬られた。
    ・イザナギは黄泉の国へ会いに行く。イザナミの姿を見た為に喧嘩となり、やっとイザナギは現世国(天界)に帰りつく。
    天照大神
    の誕生
    ・イザナギが筑紫の国の日向の橘の小門の阿波岐原で禊(みそぎ)をする。その時海、航海の神を生む。更に以下の3神を生んで役割を指示。
    ・左目を洗って・・天照大神(アマテラスオオミカミ・・高天が原・天界を担当)。
    ・右目を洗って・・月読命(ツクヨミノミコト・・夜の世界を担当)。
    ・鼻から須佐之男命(スサノウノミコト・・海の世界を担当)。
    天の岩屋 ・須佐之男命は不満で、黄泉の国に行くことを希望。
    ・天照大神とスサノウノミコトの話し合い、誓約、誓約に勝利したと考えたスサノウの乱暴行為。
    ・それに対する天照大神の天の岩屋隠れ。
    ・岩戸を開けさせる為の準備とアメノウズメノミコトの乱舞・・岩戸が開く。
    ・須佐之男命を天界から追放。
    出雲の国 ・須佐之男命は天界から、出雲の鳥髪(とりかみ)に降り立つ。初めての地上の国の誕生である。
    ・櫛名田比売(クシナダヒメ)との出会い。
    ・ヤマタノオロチの退治、草薙の剣の誕生。
    ・出雲の須賀に宮殿の造営、日本最古の和歌(八雲立つ・・)。
    ・須佐之男命から6代目の子孫が大国主神(オオクニヌシノカミ)。
    葦原中国 ・因幡の白兎、赤い猪、スサノウノミコトの意地悪な話等の逸話、試練が多くある。
    ・これらの苦難の時天界の神、神産巣日神(カムムスビノカミ)が常にバックアップ。
    ・大国主は各地を歩く。紀伊の国、死者の世界(ここで正妻となるスセリビメと会う)、越国(北陸)、大和国、宗像(福岡)とかなり広範囲である。
    ・出雲の美保の岬で神産巣日神(カムムスビノカミ)の子供、スクナビコナノカミと遭遇、二人協力して、葦原中国(あしはらのなかつくに)を作る。山田のカカシの登場。
    ・国作りに思案していると、大和三輪山の神が現れ、自分の魂を大和の東の山に祭れのお告げ、国は安定する。
    国譲り 天界(天照大神)では葦原中国が欲しくなり、高御産巣日神(タカミムスビノカミ)と相談してアメノオシホミミノミコトが治めるべきと決定。
    ・多くの神が天下って話し合いをするが大国主は譲らず進展しない。還り矢の説話。
    ・最後に建御雷神(タケミイカズチノカミ)が出雲の稲佐浜(いなさはま)に降りる。
    ・大国主と対決・・力比べ、信濃の国迄追いつめる等の逸話。
    ・結局建御雷神が勝利し、大国主は国を譲る。大国主とその系統は天孫系に負ける。
    ・大国主は出雲の小浜に祭られ、建御雷神(タケミイカズチノカミ)は天界に帰る。
    豊葦原の
    瑞穂の国
    ・天照大神と高御産巣日神は天照大神の孫に当たる『ニニギノミコト』に豊葦原の瑞穂の国の運営を任せる事に決定。
    ・天の岩屋の功労者の神々5名と、『八尺の勾玉』『鏡』『草薙の剣』の三種の神器を与え下界へ下る。道案内にサルタヒコノカミが登場。
    ・降りたところは筑紫の日向の高千穂の峰。
    ・オオヤマツミノカミの娘、木之花佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)との巡り合い。
    ・3人の子が誕生。火照命(海幸彦)、火須勢理命、火遠理命(山幸彦)。
    ・ここに海彦・山彦の話が登場。山彦の釣り針探し、豊玉毘売命(トヨタマビメノミコト)との出会い。
    神武の誕生 ・火遠理命(山幸彦)と、豊玉毘売命(トヨタマビメノミコト)の間に出来た子供が、『アマツヒコヒコナギサウガヤフキアエズノミコト』である。この名前は、天照大神の正当な血統の子である意味が有ると言う。(天津日高日子・・)
    ・豊玉毘売命はお産の時、姿を見られ、鰐の姿すなわち海国の人である為、自ら海に帰る。
    ・帰ったが忘れられず、妹の『玉依売命』(タマヨリビメ)を母代わりに派遣。
    ・この叔母さんと、ウガヤフキアエズノミコトが結婚し、4人の子を産む。
      五瀬命、稲氷命(海神の宮へ)、御毛沼命(常世の国へ)、若御毛沼命。
    ・この若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)が、神武天皇である。
    ・神武天皇はその他に『トヨミケヌノミコト』、『カムヤマトイワレビコノミコト』ともいわれる。

     以上が私の自己流に整理した上の巻の主な出来事です。(岩波書店刊の古事記、日本書紀から、過去に自分で整理したノートの抜粋です・・全くのアマチュアなので誤りが有るかもしれませんがご容赦ください)
    天上界から地上の国に進出する(神から人に)神話を中心に進んできた物語から、人の物語へと変化して行きます。ここでマクロ的に言える事は、まず、土着の国が在り(国つ神)、そこへ天孫族(天つ神)が乗り込んできたと言う事。そして、この系統が正当な天皇家の出発点である事を主張していると思われます。いよいよ若御毛沼命(カムヤマトイワレビコノミコト)は兄の五瀬命と共に、いわゆる神武の東征に出発します。



     1ページが大きくなるのはよろしくないので、中の巻は次回に回します。今宵はこの辺で・・   


     戻る  次へ