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     各論に入る前の最後に、『魏志倭人伝』にどんな事が書かれているか、をイメージとして説明しておきます。続いて、邪馬台国に到る『道筋の記述』中心に、各種の論点を説明する事にします。

      魏志倭人伝のカテゴリーと概要

     『魏志倭人伝』は、およそ2000文字からなっています。多くの専門家がそれぞれ幾つかの文節に分割していますが、ここでは易しく大まかなカテゴリーに分割してみることにします。(順序は記述されている順番です) 
     
    1 総論 倭人に関する総体的な概念 
    2 邪馬台国までの道程 帯方郡(ソウル)から邪馬台国までの国名、戸数、距離、方角、特徴
    3 旁国と狗奴国 邪馬台国以遠の国名と、ライバル国の狗奴国の説明、および郡より女王国に至るには萬二千里の記述 
    4 倭人(国)の風習、風俗、自然、産物等 刺青の習慣、魚蛤等の採取、衣服の特徴、農業、道具、気候、葬儀、産物等の説明。骨占、家族の有り様等かなり詳細に記述しており、中国大陸の会稽の東冶との位置関係、海南島との類似性を記述
    5 管理体制、身分、作法 女王国以北に一大率(いちだいそつ)を置き諸国を統括している事、人の上下の差と振る舞い等を記述
    6 歴史と東方諸国関係 昔男の王あるも7、80年間国乱れた事
    卑弥呼を擁立し安定した事
    卑弥呼の特徴、宮室の規模、生活レベルの説明
    海の東方にある国々の名前と簡単な紹介 
    7 魏との外交の歴史 景初2年6月(西暦238年)の朝貢(239年と解釈する説あり)
    12月に魏から金印(親魏倭王)他を賜った事
    正始元年(240年)に郡使が来朝、正始4.6.8年に朝貢
    8 卑弥呼の死と後継者 径100歩の墓、殉死の人数、男王の擁立と混乱
    宗女壹与(イヨ、トヨ諸説あり)による安定、朝貢記録

     おおよそ以上に分類されます。なお読み方にも種々の説がありますが、ここでは特に取り上げず、一般的な読み方としています。(重要な点は別途取り上げます) 以上で総論的なお話は終わりにします。     



    次回からはいよいよ記述に基づいて散歩をはじめます。
            今宵はこの辺で・・


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