murmur  

世にしたがへば身苦し・・


2006年6月28日 曇り

 NHK・朝の連続ドラマ「純情きらり」で有森桜子さんの姉・有森節子さんが、授業中に鴨長明の方丈記から一節を引用し ました。兄の出征を前にした生徒が悲しむ場面で、政府の役人に止めるように強制された時に起こりました、戦時中の厳しい状況が良く伝わりました。

方丈記:
世にしたがへば身くるし。またしたがはねば狂へるに似たり。いづれの所をしめ、いかなるわざをしてか、しばしもこの身をやどし玉ゆらも心をなぐさむべき。

 なるほど、国家という権力に従えば、人間の感情など考慮に入れてはいけない。しかし、教育者の立場では、人間の感情を言い表し伝える事を抑制されるなら本当に苦しいと思います。

 現在の社会を見るなら、形の違う権力「親・子・同級生」に抑圧され最後に爆発する事件を目の当たりにしています。親が子を、子が親を殺す、同級生の虐め、悲惨な出来事が続いています。
 どうにもならなかったのでしょうか? 一人一人が、相手の気持ちになり行動することが出来ない時代となっているようです。

 人間の感情を教えることの大切さが現代の教育現場や家庭教育に欠けていることが原因なのでしょうか?

 平和な時代が来ることを願うばかりです・・・


方丈記で有名なのは、冒頭の一節

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

(無断転写を禁ずる、参考にならないと思うが・・・)